ロンドン日記

手抜き時計塔

旅行に行ったら、土産を買うことになるが、これが結構難しい。誰にどのくらいの予算でいくつ買うか考えないといけない。高すぎても安すぎてもいけない。人柄を判断する材料ともなりかねないから、変な物を買ってはいけない。

観光客の多くいるところには、土産物屋が並ぶ。ロンドンのピカデリー・サーカスとレスター・スクエアの間のコヴェントリー・ストリートは、まさにそのような場所で、似たような音楽が流れ、似たような物を売る、似たような店が軒を連ねる。英国土産の定番である紅茶やクッキーの他には、絵葉書やTシャツやキーホルダーやマグカップが所狭しと置かれている。

そんな連なる店の一軒で最近発見した変な物と言えば⋯⋯。

ウェストミンスター宮殿の手抜き時計塔。どうやら£1.99から£2.99に値上げされた模様。£1.99でも高すぎると思うのだが。

「意図的にデフォルメされた芸術作品」と言っても、騙される人はいないだろう。これを土産として貰った人は、どうすればよいのだろうか。食べ物のように消費されるものではないし、このような悪趣味な物を飾るわけもないだろうが、もし捨てた後に贈った人から「この前のお土産どうしたの?」とでも訊かれたら、甚だ面倒なことになりかねない。

多分、冗談として買うのだろうが、冗談としても貰いたくない⋯⋯。