ロンドン日記

外出制限

英国で外出が制限されたのは3月23日。もう1ヶ月以上前のこと。3月16日にバスに乗って以来、公共交通機関は利用していない。外出するのは徒歩圏内にあるスーパーで買い物をするときだけ。20〜30分歩けば大きなスーパーに行けるのだが、他人との接触機会を減らすことを念頭に近場で買い物を済ませている。あとは Amazon で購買して配達してもらっている。

新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている現時点で私にできるのは極力外出しないこと。至って簡単だが、自分の意志で外出しないのと、制限されていて外出できないのではかなり違うし、長期間家に籠もっているとどうしても外に出たくなるもの。英語には冬の間小屋に閉じ込められたがゆえにストレスを抱えたり倦怠感を覚えたり苛立ったりすることを語源にし、転じて小さな空間で長時間過ごして精神衛生上悪影響を受けるという意味合いを持つ cabin fever なる言葉がある。

文句を言える立場にはいない。新型コロナウイルス感染症に罹患したわけでも、他人と接触しないといけない仕事をしているわけでもない。もともと在宅で仕事をしているので、家で一日中過ごすことには慣れているし、一人暮らしだが孤独感はない。窓の外を見れば木があり、リスや鳥などの動物を観察できる。

これからワクチンが開発され抗ウイルス薬が確立されるまで、感染者の数などによって外出制限が緩和されたり再度発令されたりすると言われている。好きな時に好きな場所に行ける自由が当たり前だった日が戻るのはいつになるだろうか。