ロンドン日記

新型コロナウイルス感染症ワクチン3回目接種

2021年12月7日に、新型コロナウイルス感染症オミクロン株の感染が拡大している英国で、私が3回目のワクチン接種を受けられるのは来年1月になるだろうという主旨の記事を書いた。その時政府や英国の国民保健サービス・NHS (National Health Service) のウェブサイトによれば、40歳以上の3回目接種の前倒しの準備中だった。2回目と3回目のワクチン接種の間は6ヶ月だったのだが、3ヶ月に引き下げられることになっていた。私の2回目接種は2021年7月7日で、ちょうど5ヶ月経ったため、6ヶ月後にあたる1月4日以降の接種の予約ならできたのだが、もし前倒しになるのであれば⋯⋯「数日待ってみようか」と考えていた。翌日12月8日にNHSからSMSが届き、3回目接種の予約ができるようになったと連絡があった。なんとも良いタイミング。早速ウェブサイトで確認すると2日後の12月10日正午過ぎに以前の2回と同じくウィンブルドンで空きがあったので予約した。多くの人たちがワクチン接種を希望するだろうから、これほどすんなりと2日後を選べるとは思っていなかった。年内に受けられれば幸運だろうと思っていた。

2021年5月4日の1回目接種の時は長蛇の列があって約1時間かかったが、7月7日の2回目は直ぐに終わった。12月10日の3回目も2回目同様かなりスムーズだったが、接種後15分間アレルギー反応がないか確認されるため待った。それでも30分もかからなかった。最初の2回が AstraZeneca で今回は Moderna のワクチン。アレルギー反応もなく最初の数時間は副反応もなかったが、夜になって注射を打った左腕が痛みだした。この痛みは結局3日続いた。そして接種の3日後にあたる月曜日(2021年12月13日)は非常に怠かった。痛みはなかったのだが、体も頭も疲れて何も手に付かない一日を過ごした。火曜日には腕の痛みも倦怠感もなくなって一安心していたら、水曜日の午後から再び倦怠感が。その後数日あまり体調が良くなかった。副反応というのは人それぞれだし、週の後半の倦怠感が副反応によるものなのかも確かではない。ワクチンがオミクロン株に対してどれほど有効なのか未知の部分が大きいし、これからどうなるか分からないが、個人としてできることは行ったと思いたい。

英国政府の基本方針はとにかくワクチン接種率を上げることでオミクロン株の感染拡大に備えようとするもの。現在はワクチン接種を希望する18歳以上の3回目接種が可能になった。ワクチンとオミクロン株の徒競走のような状態だが、ここ数日の新規感染者数を見るとオミクロン株が一歩リードしている模様。政府は行動や外出を著しく制限するロックダウンを避けようとしている。与党・保守党議員の多くが制限に対して否定的で、12月14日にマスク着用やNHSの医療従事者のワクチン接種の義務化、イベントなどでワクチン接種証明書または陰性証明の提示義務を定める法案が庶民院で通過した際、数回あった採決の中の一回で保守的から100名という大量の造反者が出た。野党・労働党が支持したので通過したが、ボリス・ジョンソン首相の求心力は現在低下している。

病院で治療を要したり重症化する罹患者が多くなれば、今後ロックダウンは避けられないかもしれない。しかし医療機関への負担が大きくなった時点で発令するのは遅きに失した対応だ。英国はこれまで何回も対応が後手後手に回ってきた感がある。躊躇するとそれだけ厳しく長い制限を必要とする。だが不必要に制限するのは経済的にも人々の精神衛生にとっても悪い。英国のみならず世界中で政府が下さないといけない難しい判断。これから英国の状況がどうなるのか、全く分からないし、分からないことから安寧のクリスマスから程遠い。