ロンドン日記

パンケーキと水仙

一昨日2022年3月1日に祭日が重なった。移動祭日の Shrove Tuesday と毎年3月1日のウェールズ守護聖人の日 St David’s Day が同じ日になった。復活祭(イースター)が移動祭日のため、復活祭の日によって決まる「告解火曜日」または「懺悔の火曜日」と訳される Shrove Tuesday も毎年違う。謝肉祭の最終日で四旬節・大斎節初日の灰の水曜日(英語で Ash Wednesday)の前日。動詞 shrive (shrove, shriven) は「告解を行う・懺悔する」という意味。古い表現で告解火曜日とその前の2日間を告解(ゆるしの秘跡・懺悔・罪の告白)を行う期間を Shrovetide と呼んでいた。復活祭までの四旬節・大斎節の期間、節制として何かを断つ人が多い。酒だったりコーヒーだったり。英語でこの期間は Lent で、今の時期の第2学期をケンブリッジ大学では Lent Term と呼ぶ。余談になるがオックスフォード大学では Hilary Term だ。

Shrove Tuesday の別名が Pancake Tuesday で、英国で一般的な呼び名。またフランス語では Mardi gras で、訳せば「肥沃な火曜日」になる。四旬節・大斎節の期間に豪華な食べ物や卵やバターを食べることを控えるので、使い切るためにパンケーキを食べる風習ができたという。キリスト教徒ではないが、久々にパンケーキを作ってみようと思い立ち、スーパーで牛乳を買った。チーズやヨーグルトなど乳製品はたくさん食べるが、紅茶にもコーヒーにも入れることがなくなったし、料理に使うこともないので、牛乳をいつ以前に買ったのか思い出せない。

牛乳1パイント(568ミリリットル)と卵4個に小麦粉を混ぜて塩少々を入れて、程よくなったらフライパンで焼くだけ。市販のミックスを買うより安上がり。砂糖は全く入れなかったので、ふわふわというよりももちもちでやや弾力あった。これは好みの問題。IC調理器の温度は120℃で、最初の1枚だけバターを使った。

何をもって春の訪れとするか人それぞれ。鮮やかな黄色の水仙が咲き出す今頃。まだ満開ではないが、家の近くの水仙は5分咲きだろうか。水仙はウェールズの国花であり St David’s Day に身に付ける人もいる。

スーパーからの帰り道に撮影したのだが、ぶれたので絵画風に加工した。

パンケーキは計8枚か9枚になって、蜂蜜やレモンをかけて全て食べた。これだけ牛乳・卵・小麦粉を詰め込むと満腹になって、眠くなってこの夜は早めに寝た。若い時は腹一杯食べたら元気になったが、今は消化が重労働になって、食べたら疲れるようになった。