
数週間前、ロンドンの高級デパート・ハロッズの食品売り場に行ったら、日本の高級果物が売られていた。桃3個£80(現在のレートで£1は約¥200なので1万6000円)、メロン1玉£150(3万円)、宮崎県産のマンゴー『太陽のタマゴ』2個入り1箱£160(3万2000円)。
高級なマンゴーはさぞかし美味かろう。でも£160はおいそれと支払えるような額ではない。もし宝くじで高額当籤して湯水のように金が使えたとしても躊躇する、と言いたいところだが、当たったら人間性も金銭感覚も変わってしまうだろう。特に食に関しては欲張りなので。あとこのサイトの記事のネタとして買うとしても、£160を回収するだけでも膨大な広告表示回数を要する。
マンゴーは好物なので、スーパーで特売品になっていたり、安くなっていたら、ついつい買ってしまう。通常は1個£1台後半。たまに安くなって£1を切ることも。私が子供だった頃、つまりは1990年代、英国のスーパーでマンゴーが売られていたか、あまり記憶にない。少なくとも現在のように年中売られているというような状況ではなかったはず。ここ20年で英国のスーパーで手に入る果物の種類が劇的に増えたと思う。
近くのスーパーで見切りになっていたマンゴーが62ペンス(124円)。

英国で果物を買うのはある種のギャンブル。甘いのか酸っぱいのか、熟しているのか硬いのか⋯⋯当たり外れがある。大当たりは稀で外れが多い。

このマンゴーは外れ寄りの当たりと言ったところ。深みや豊かさはなくても、それなりにマンゴーの味がして、良く熟れているとは言えなくても、硬くはなかった。これより美味いマンゴーはたくさんあるだろう。
文句ばかり言っているが、マンゴーを食べればちょっと幸せな気分になれる。もし最高級マンゴーを食べてその味を知ってしまったら、いくら熟れていても安いマンゴーを美味く感じるこができなくなるのでは⋯⋯。1回大きな幸せを味わうよりも、小さな幸せを多く味わった方が、幸福の総量が増えるような気がする。それか、宝くじ、当たらないかな。