ロンドン日記

クリスマスにハトとパートリッジを食べる

括弧内の円換算のレートは£1=¥211。

クリスマスは私にとって年に一回の暴飲暴食の日。言わばスーパー・チート・デイ。ここ数年、七面鳥や肉の塊を食べていたが、今年はどうしようか⋯⋯とぼんやり考えていたら、時間が速く流れていつの間にか2025年12月24日、クリスマス・イブになっていた。一つ決めていたのは、去年同様「七面鳥は食べない」ということ。一人暮らしなので七面鳥を食べきるのに苦労するうえ、どうも疲労感が抜けない時期が続き、気力体力が落ちていた。食べるのにも気力体力を要するようになってきた。

近くのスーパーをはしごして、割引シールが貼られているものを物色しても良かったが、久しぶりにロンドンの街に行ってみようと思い立った。デパートの食品売り場に良い品があるかもしれないと期待して。

まず Selfridges に向かって、見つけたのが⋯⋯

惣菜カウンターにあったサーモン・ディル・レモン・マスカルポーネのタルト1箱と牛肉とスティルトン(英国の代表的な青カビのチーズ)のパイ1箱。アミューズというかスターターとして最適だろうと思って。それぞれ定価£14.99(¥3163)が最終的に£3.74(¥789)に。1回目の値引きの£7.49(¥1580)だったら買わなかっただろう。

次は Fortnum & Mason に行った。紅茶が一番有名で英国土産の定番だろうが、地下1階に肉やチーズのカウンターなどがある。大きな売り場ではないが、定番の牛羊豚鶏以外に鹿肉やフランス語でジビエ英語でゲーム (game) の野生鳥獣肉・狩猟肉があった。その中で無理せずに食べられそうだったので⋯⋯

すぐにオーブンで調理できるハトとパートリッジを選んだ。£5.95(¥1255)が£2.97(¥627)に。パートリッジ (partridge) は2種のキジ科の鳥を指す。英国在来種で grey partridge または English partridge と呼ばれるヨーロッパヤマウズラ (Perdix perdix) と18世紀に英国に持ち込まれた red-legged partridge または French partridge と呼ばれるアカアシイワシャコ (Alectoris rufa)。このパートリッジがどちらかは分からなかった。

Fortnum & Mason 近くにあるチーズ専門店 Paxton & Whitfield に立ち寄った後、ロンドンそして英国で一番有名であろうデパート Harrods に。食は確保したので、飲を求めて。食品売り場は1階にあるが、ワイン売り場は地下1階。詳しいわけではないし、高いワインを飲んだところで私のようながさつな人間は差が分からないので、ここは安心安全安価な⋯⋯

ボルドーの赤ワイン claret £11(¥2321)を1本買った。店員が丁寧にこの安ワインのボトルを紙で包装し、箱に入れて、その箱を手提げ袋に入れてくれた。高貴なワインを買ったような錯覚に陥った一方、そこまでしなくても良かったのに、と何やら申し訳ないような気分に。

2025年12月25日、クリスマスの正午前、ハトとパートリッジを焼いたり、じゃがいもを調理している間に、まずタルトとパイを温めて、ワインを開けた。

本当に美味いのか、£15の価値があるのか、さあどんなものか、と気負って食べてみると⋯⋯非常に美味かった。ふわっとした軽さの中に、素材の味が順々に口の中に広がる。ただ赤ワインよりもシャンパンかシェリーの方がおそらく合っている。

ハトとパートリッジにベーコンを巻いて焼いた後に、鋳物ホーロー鍋に移して25分ほど調理した。少し失敗してベーコンが剥がれてしまったが、なんとかなったというか誤魔化した。

ワインの隣にあるソースは、まずハトとパートリッジを焼いたフライパンでエシャロットを炒めて、ソースパンに移して、赤ワインをボトル4分の1ほどと先日焼いた鶏の肉汁を追加して、煮詰めて、最後にハトとパートリッジの肉汁を入れたもの。

ハトは赤身肉で味が強く、好き嫌いが別れるだろう。ジビエの生臭さというか獣臭さが苦手な人は苦戦すると思う。そのためソースが重要。一方パートリッジは鶏や七面鳥の旨さを凝縮して深くしたような味わいで食べやすく、個人的には塩胡椒だけでも十分。ハトを食べて、パートリッジは半分消費した。残りは次の日の食事用に。

満腹に近い状態だったが、最後に羊乳チーズとぶどう。

2025年12月26日、前日食べきれなかったパートリッジ半分と野菜を食べて、ワインも飲みきった。

これくらいの量が適切。一人だと七面鳥は無謀だということを再確認したのと、パートリッジは美味いので、また今度食べてみようと思う。安くなっていれば。