ロンドン観光案内

ウィンブルドン観戦のヒント

ウィンブルドンでテニスが始まった。会場から歩いて7分ほどのところに住んでいるので、今年も1回か2回は行ってみようかと思っている。会場に行かなくとも、英国内であればBBCが多くのコートでの試合をウェブで中継しているので、ナダル選手が一回戦で敗れるという波乱の結果となった試合を、第2セットの途中からコンピューターで観た。劇的な2013年ウィンブルドン選手権初日だった。

さて、以前にも書いたことだが、ウィンブルドンでテニスを観戦するときの注意点を、2011年と2012年の体験をもとに、改めてまとめておきたい。

まず、ウィンブルドンの会場はロンドン地下鉄の District 線の Wimbledon 支線の Southfields 駅が最寄りで、歩いて15分ほど。バスや乗合タクシーも駅出口近くから出発する。多くの人が会場に向かうので、人波に付いていけば良いし、矢印がある垂れ幕が多くあるので、迷うこともないはず。そして会場近くでは、麦帽子にスーツにネクタイという立派な服装の Honorary Steward という人達が、当日券の列へと案内してくれる。列に並ぶと、番号のついた queue card をもらう。これをなくすと、入場できないので、大切に保管。また、入場前に、空港にあるような金属探知機を通り、持ち物はX線検査される。大きなものは持ち込めないので、有料の保管場に置くように指示されることもある。そして入場券は現金のみで支払い可能。ATMもあるが、現金を持っていったほうが良いだろう。

当日券を求めるのであれば、朝早くに並ぶか、午後に悠々と行くかの選択肢がある。いくら朝早く並んだとしても、数限りあるセンターや第1コートの当日券を得ることはほぼ無理で、前夜からテントを張って並ぶ必要がある。そのため、体力と気力と根気を要する。朝早く並ぶのであれば、地下鉄の始発前が良いだろう。夜行バスであれば Covent Garden 発 Kingston 行きのN87番の Penwith Road / Merton Road バス停が一番近く便利だろうか。そして地下鉄を利用する場合は、早ければ早いほど良い。そして、朝に並んでも、もし収容人数の上限に達すれば、入れないこともある。

試合は8時過ぎまで続くので、多くの人は数時間テニスを観戦したあとに会場を去る。会場を出るときに、券に印刷されているバーコードが読み取られるため、人数を把握することができ、出た人数分、また新しく入場できるようになっている。入場券は一日有効で、指定席となっているセンター・第1・第2コートも一日有効。指定席の場合も、会場を出る時にバーコードが読み取られ、その席は ticket resale kiosk で再販される。センター・コートは10ポンド、第1と第2コートは5ポンド。もちろんこの ticket resale kiosk の前でも長い行列ができる。

センター・第1・第2以外の第3・第12・第18コートにも席がある。第3コートの4分の1ほどの一部の席は早い者勝ちなので、朝早く並んで指定席を買うことができなかったら、これらのコートに向かうのも良い。ただ席を一旦立てば、戻ってくることはできないので、トイレは我慢ということになるかもしれない。朝早く並んだ場合、例えば、まず第12コートに行って、2試合観戦したあと ticket resale kiosk に並ぶという作戦もありうる。

前述通り、午後4時を過ぎると、家路につく人も多い。そして当日の入場券は午後5時以降入場の場合、安くなっている。例えば最初の一週間、午後5時以前入場は20ポンドだが、午後5時以降入場は14ポンドとなっている。なので、午後5時少し前に並んで、入場したらすぐに ticket resale kiosk 前に並び、再販されている席を狙うのも一案。運と試合にもよるが、大抵はセンター・コートあるいは第1や第2コートで、少しはテニスを観戦することができる。しかし場合によっては、午前中に並び始めた人たちがまだ入場できずに長い列ができていることもあるので、入れないことを覚悟した上での選択肢。

あと Ticketmaster (www.ticketmaster.co.uk) というウェブサイトで、センターと第3コートの指定券が販売されていることもあるが、数に限りがあるようで、これまで実際に券を買ったことはないし、数回興味本位で覗いてみたが、一度も券があったためしがない。試合の前日の午前9時に販売が始まるが、本当にあっという間に全て売り切れてしまうのだろう。

他には、会場内の食べ物飲み物は安くはないので、駅前のスーパーで買った方が得で、また長い間列に並ぶこともあるので、ペットボトル入りの水などは携帯していった方が良いだろう。英国の天気は気紛れななので、日焼け止めのクリームや帽子はもちろん、雨が降った場合のことを考えて傘や雨具は持っていった方が良いし、朝晩は肌寒いことが多いので何か羽織るものも用意する必要がある。つまり、初春から晩秋までのどの天気であっても適応できる服装が良い。

英国人は行列を作ることが大好きなので、テニスを観戦することではなく、長い行列の一員だったということを好む場合があるような気もする。それはさておき、ウィンブルドンには他のスポーツ会場にはない独特な雰囲気があるので、開催期間中に英国に旅行していて、時間があるならば、ぜひ一度足を運んではいかが?

公式サイト www.wimbledon.com