フランス・メス(2010年6月)

2010年6月17日 | メス旅行:2010年6月9日

10年以上にも行っていなかったメスに行く機会が最近あり、数時間だけだったが観光してきた。Metz とあり「メッツ」と呼びたくなるが、フランス語では「メス」あるいは「メッス」となる。実はその昔ルクセンブルクに住んでいた時期があって、数回電車に乗ってメスに日帰りで行ったことがある。フランスには的確に表現できないが、フランス独特の雰囲気があって、たまに無性にフランスの空気を吸いたくなることがある。

メス駅につくなり、フランスというより何となくドイツらしい雰囲気が漂うのは、普仏戦争後、メスを含むアルザス=ロレーヌ地方がフランスからドイツ帝国に割譲されたから。そのため、ドイツ帝国支配下時代の建築物にはドイツ化という政治的要素があり、駅前から旧市街の道にはまるでベルリンかハンブルクにありそうな家が並んでいる。そして Temple Neuf という町中にあるプロテスタント教会もフランスというよりドイツ的。ちょっと周辺の建物とは調和していない。

さて、記憶とは曖昧なもので、覚えている頭の中の風景と実際の風景が違っていた。当時はそう印象には残らなかったかもしれないが、メスは「これほどまでに」と思うほど非常に歴史ある美しい町。再発見というよりは新発見という感じの方が強かった。メスには古くはガロ・ローマ時代の建物が一部現存しているし、中世のテンプル騎士団の礼拝堂もあるし、数多くの教会がある。一番強く頭に刷り込まれていた記憶はやはり大聖堂で、シャガール作のステンド・グラスが美しい。天気の良い日で、歩いていると少し汗ばむ陽気だったので、涼しい大聖堂のみ時間をかけて内部を見学した。

1カ所、是非とも訪れたかったが、結局帰りの電車の時間の関係で行けなかったのが、日本人建築家坂茂氏も携わったポンピドゥー・センター・メス。また今度行くときの楽しみ。