英国経済 | 個人ローンの不良債権化

2008年10月26日

景気失速で不動産ローンの不良債権化が進み、米英を始めに世界的に金融不安になり、不安定な状態が続いている。雇用率の減少などで、次の大問題として現在英国で取り上げられているのが個人のクレジットカードや車や家具のローン。つい最近まで車や家具販売の広告の多くは金利0%の分割払いを謳っていたし、クレジットカードの宣伝も多かった。不動産ローンの未払いで担保が回収され社会問題化しているが、それ以上に会社の業績に悪影響を及ぼし個人破産に至ると思われているのがこれらの事実上無担保の融資。クレジットカード会社の中には負債者に対する資産処分を charging order をもって法的に請求し、不動産を売ることによって融資を回収する動きがあるという。

個人の無謀な借入として政府としては静観できるかもしれないが、銀行に莫大な額の公的資金を注入したため、銀行は救済するのになぜ個人は救済しないのかという批判が出て、ブラウン政権は政治的に難しい判断を迫られることとなりそう。英国ではこの種のローンが多いので、一層個人消費が落ち込み、景気は悪化の一途をたどりそうだ。