ミリバンド労働党党首の指導力に疑問符

2012年1月17日

長期間野党の立場にあった政党が、政権を握ったことのない政党と連立を組むのと、長期間政権を握っていた政党が野党になるのとでは、どちらが難しいだろうか。現在の英国政治においては、どうやら労働党にとって厳しい状況が続いている。対して、保守党・自由民主党の連立政権は、いろいろと与党間そしてそれぞれの党内にて軋轢はあるものの、政府として機能していて、安定感がある。少なくとも、短期的に瓦解するとは思えない。

労働党ミリバンド党首は、現在の政府に反対する野党の党首として、また英国の次期首相としてのイメージ作りに苦労している。つまり、ただ単に反対するだけで、対案を出せないような野党では、支持率の上昇にも限りがある。労働党は現在の英国の不況の元凶を作ったと、多くの有権者が見ているため、現実的な政策がなければ、信用されないという状況にある。

保守・自由民主連立政権は、緊縮財政政策を経済政策の柱と強調していて、公務員の給与据え置きや年金改革などを行なっている。ミリバンド党首は、反対するところは反対する、賛成するところは賛成する、という立場のようなのだが、有権者には分かりづらい。そして公務員の給与据え置き政策に賛成するようでは、支持基盤で固定票であるはずの公務員や労組からの支持を失い、かつ浮動票を取り込めないという状況に陥る。

ミリバンド党首は焦る必要はないはず。早々の解散・総選挙という可能性は極めて低いので、今後数年かけて政策を立てればよい。ただ、労働党内での不安が増せば、党首交替の声が上がるかもしれない。