ロンドン:暴動の日々

2011年8月9日

ロンドンでは今日も不穏な空気が流れている。街は閑散としていて、店は早々と閉店し、明日のイングランド対オランダの国際親善試合をはじめにサッカーの試合が次々と中止となっている。いつどこで暴動が起きるか予測がつかない。いくら警察官が多数動員されているとはいえ、全ての場所に手が回るわけではなさそうなので、ロンドン中心部を除き、今晩夜間の外出はできるだけ避けた方が良さそうだ。

昨晩、ロンドンの多くの場所が暴動・略奪の被害に遭ったが、その中でもクラッパム・ジャンクションでは多くの店が略奪され、建物一軒に火が放たれた。長時間、この地域は無秩序状態にあり、略奪者のやりたい放題だった。一夜経ったが、傷跡が生々しい。

略奪に遭った店が並ぶ道路は12時半現在閉鎖されたままだったが、多くの人が集まっていた。どうやら SNS の呼びかけに応じた清掃ボランティアのようだ。

クラッパム・ジャンクションから電車で2駅のウィンブルドンでは、午後1時を過ぎた頃なのに店じまいをしているところが多数あった。デパートでは陳列棚の商品を箱に入れて保管していたし、駅前のスターバックスも午後3時半に閉店することになっていた。

どの商店街が次の標的になるかわからないので、安全策を取ってのことだと思う。ここ数日の動向を見ると、暴動を起こし略奪をしている人々は、まるでゲリラ戦争のように、少人数を中核に携帯電話などで連絡を取り合い、警察が来る前に店を襲い、次の場所に移動しているらしい。略奪皆ですれば怖くないのか、見物している人も略奪に手を染めるという悪循環を生んでいるようだ。暴動や略奪を抑えることができるのか、ロンドンは不安な晩をまた迎えている。