W杯2010年南アフリカ大会

ワールド・カップ観戦日記 | 33 | ブラジル・コートジボワール

2010年6月20日

ブラジル 3:1 コートジボワール

観ていてつまらないブラジルと観ていてわくわくするブラジルが混在していた試合。無論、ブラジルに90分休みなく観ていてわくわくするサッカーを期待するのは酷だろうし、つまらないと言っても相手に球を与えず技術的そして戦術的には優れていた。前試合の北朝鮮戦に比べると、球を支配しつづけ緩急をつけて試合を運ぶことができたので、今後調子が上がってくるだろうか。コートジボワールには、前のポルトガル戦でゴールなしの引き分けとなったが、よくチームとして試合ができていたし、アフリカ大陸で開催されていることもあり、「ひょっとしたらブラジルに勝てるかもしれない」と期待していたので、残念な結果だが、やはりブラジルはブラジル。

ブラジルの1点目と3点目は素晴らしかった。1点目は右側から Fabiano 選手が強烈なシュートでゴール。2点目も最初観たときは素晴らしいと思ったが、再生を観て驚いた。2回もハンド・ボールがあった。まずはパスを受けるために飛び上がったとき、手を使って球をコントロールして、シュート前にも腕を使った。主審も副審もコートジボワール選手も見逃したが、ビデオは何回でも再生できる。素晴らしく見えただけ何か裏切られたような気もした。3点目は Kaká 選手が左から絶妙なパスで Elano 選手が合わせてゴール。コートジボワールは後半34分に Drogba 選手が1点を返した。ブラジル、確かに3点あって油断したのかもしれないが、守備がまだ完全ではないように見えた。

なにより後味が少々悪くなった試合。最後の15分ほどはかなり雰囲気が険悪に。まず Keïta 選手がかなり危険なタックルで即刻退場処分ではなく警告だけで済んだのには驚いた。このあと Kaká 選手がコートジボワール選手と押し合い、警告を受ける。数分後、Keïta 選手と Kaká 選手がぶつかり、Keïta 選手が劇的に倒れ手で顔を覆っていた。ビデオ再生によると、どうやら Kaká 選手の肘が Keïta 選手の胸に当たっていたが、顔には当たっていない。主審は恐らくこの場面を目撃していなかっただろうが、Kaká 選手に2回目の警告を与えて退場処分に。これはちょっとひどい誤審に思える。

この試合結果を受けてブラジルは勝ち点6で得失点差は+3、コートジボワールは勝ち点1。ブラジルは16強進出。コートジボワールの16強進出は厳しくなった。

PS: フランスのテレビ番組に Drogba 選手が試合後のテレビ番組に出場していて、本当に残念がっているのが顔に出ていた。やはりフランスのテレビだから、話題はブラジル対コートジボワールの試合からフランスの内紛問題に⋯⋯決してチェルシーというチームは好きではないが Drogba 選手は素晴らしいサッカー選手。コートジボワールの内戦停戦にも一役買ったし、社会問題に関連する公共広告に登場するなどピッチ以外でも評価できるところが多い。そして彼はフランス語はもちろん英語も上手い。