W杯2010年南アフリカ大会

ワールド・カップ観戦日記 | 53 | 16強:最初の4試合

2010年6月28日

ウルグアイ 2:1 韓国

サッカーはよく1点を争うゲーム。好機を得点にする能力があるストライカーが仕事をこなせるか、有能なゴール・キーパーがいるか、いろいろな要素がある。選手の布陣や作戦もそれぞれで、状況による。得点がゲームの流れを変えることも多い。そのため、例えばゴールを無効にする誤審やオフ・サイドでもゴールを有効とする誤審は勝敗を決めることがある。

ウルグアイ・韓国とアメリカ・ガーナの2試合は好機を得点にするストライカーの有無が勝敗を決めた。ウルグアイの最初の得点はキーパーと守備陣の間をすり抜けた球を Suárez 選手が押し込みゴール。それよりも2点目のゴールの方が凄かった。ポストを直撃してゴールに入った球は美しかった。アメリカ・ガーナ戦はガーナが試合早々 Boateng 選手のゴールでリード。前半は球を支配して次々と攻撃を仕掛け、ガーナ有利の試合だった。しかし後半はほぼアメリカのペース。ガーナはキーパー Kingson 選手と守備選手の活躍と運で凌いだが、アメリカはペナルティーで1点を返した。アメリカは最後まで攻めて得点する。これはスロヴェニアやアルジェリアとの対戦でもあったこと。そして延長戦。アメリカ有利かと思えたが、ガーナの Gyan 選手が93分に守備を振り切って、力のこもったシュートで2:1として、このまま逃げ切った。

ドイツ・イングランドとアルゼンチン・メキシコの2試合は誤審が目立ってしまった。それぞれ試合の流れを変えてしまった。最終的な結果にどれほどの影響を与えたかもちろん知る術はないし、恐らくドイツとアルゼンチンが試合全体からすれば勝っただろうが、残念なことには違いない。

イングランドは守備の不備、守護神と呼べるようなゴール・キーパー不在、そして誤審に泣いた。しかし、そのような見方より、ドイツの若いチームの勝利と言うべきだろう。例えば Özil 選手や Müller 選手など、イングランドの守備を翻弄した。堅実だけではなく、大胆なサッカーも兼ねていて、今後さらに成長するかもしれない。ドイツの最初の2点は止めるべきものだったかもしれない。とにかくイングランドの守備には穴があり、先制点はキーパーからの球を受けた Klose 選手が守備選手を振り切って、ゴール。2点目も Klose 選手がイングランドの守備選手が周りにいない Podolski 選手にパス、キーパー James 選手の足の間を通るシュート。このあとイングランドは Upson 選手のヘッダーで1点を返し、そのあと、Lampard 選手のシュートがクロスバーを打ち、ゴール内に落ちるが、審判はゴールとみなさず、試合はそのまま続いた。この時点で2:2となっていたら、試合も変わったかもしれない。しかし全般において、ドイツの方が強く良いチームだった。後半は同点にしたいイングランドを抑えつつ、カウンターで追加点を狙うドイツ。それが功を奏して、ドイツは2点を追加。

メキシコはどちらかというと好きなチーム。今回も16強でアルゼンチンと対戦して敗れた。速く球を回し、好機を探り、連繋したプレーが中心。まだ若手選手が中心だったので、今後が楽しみで2014年には期待したい。今回のアルゼンチン戦では惜しいロング・シュートを放ったし、サイドからの良い攻撃もあった。そしてアルゼンチンの先制点は明らかなオフ・サイド。それまではどちらかというとメキシコの方が元気だったので、試合の流れが変わった。2点目はメキシコの集中力が途切れたのか、Osorio 選手が存在しないメキシコ選手にパスをして、ボールを容易く奪われてしまった。3点目はアルゼンチンの破壊力を示した。働き者の Tevez 選手にゴール。メキシコも1点を返したが時すでに遅し。