W杯2010年南アフリカ大会

ワールド・カップ観戦日記 | 62 | ウルグアイ・ドイツ

2010年7月11日

ウルグアイ 2:3 ドイツ

またしても蛸の予想的中。3位決定戦とあってか、もちろん重要な試合ではあったが、両チームに決勝戦ほど重圧がかかっていたのでもなく、攻めるサッカーで観ていて面白かった。ドイツ先制、ウルグアイ同点、ウルグアイ1点リード、ドイツ同点、ドイツ1点リードと試合を通して、どちらが勝ってもおかしくない展開だった。

ウルグアイはこれまで同様に組織的なサッカーで Forlán 選手が中心になり、Suárez 選手も戦列に復帰。Suárez 選手がボールを保持しているのは映像を見なくてもわかる。南アフリカのファンの猛烈なブーイングが聞こえるから。またオランダ戦には出場しなかった Lugano 選手と、Suárez 選手同様に出場停止となっていた Fucile 選手が戻ってきて、ウルグアイはより強く見えた。一方ドイツは先発メンバーがこれまでの試合とかなり違った。Klose 選手は背中を傷めていて、他にも体調の悪い選手がいたらしい。ただ対スペイン戦では出場停止となった Müller 選手が復帰。やはり今のドイツのチームにとって Müller 選手の存在は大きい。

ドイツが19分に先制。これまでチームの要として試合をよく把握していた Schweinsteiger 選手が遠くからゴールを直接狙った。キーパー Muslera 選手が弾いたが、Müller 選手が落ち着いてシュートしてゴール。Müller 選手の強さはこのゴールでも分かる。オン・サイドの位置から Schweinsteiger 選手のシュートに合わせて前進していた。もしキーパーが球をこぼしたり、あるいは弾いたら即座に反応してゴールを決めることができるから、このような展開では必ず前進すべきで、Müller 選手はきっちりと仕事をこなしていた。ウルグアイの同点ゴールは28分。中央で Schweinsteiger 選手から球を奪ったを Suárez 選手が見事なパスで繋いで、左から Cavani 選手のゴール。これまでほぼ完璧だった Schweinsteiger 選手、今大会初めて失点に繋がるミス。前半終了間際にはウルグアイ Suárez 選手にリードの絶好の機会があったが、シュートは僅かに外れてしまった。前半を1:1で終えた。

後半は開始からどちらかというとウルグアイのペース。ウルグアイの2点目は右側で連繋で上手く守備を躱したのち、中央にクロスされた球に Forlán 選手が合わせてゴール。かなり高い球でアクロバチックなシュートだった。やはりこの大会で輝いた存在だった Forlán 選手の素晴らしいゴール。56分、右側から Boateng 選手がクロス。ウルグアイの守備の弱点となったキーパー Muslera 選手が飛び出したが、ボールを捉えることはできず、そのまま左側にいた Jansen 選手がヘッダーでゴール。このあとも両代表ともに攻めた。82分、CK から交錯したプレーで浮き上がった球を Khedira 選手がヘッダーでゴール。ここでウルグアイ選手にカメラが向けられ、かなり残念そうな顔つきが目立った。それでも力を振り絞り、ウルグアイは攻撃を仕掛けて、90+2分、ボックス外ゴール正面の FK を得た。Forlán 選手が蹴った球はクロスバーに当たり、試合は終了。Forlán 選手のこれまでの活躍を考えれば、入って欲しかった。

ドイツはこれから数年の間、他のチームにとっては脅威だろう。先発メンバーを替えても、チームとして選手が各々の仕事をきっちりと果たしていた。若い選手が中心であり、これからかなり期待できそうだ。ウルグアイもチームとして組織ができていて、守備と攻撃が噛合い、4強入りしたのが充分に理解できる試合だった。