W杯2014年ブラジル大会

ワールド・カップ観戦日記 | 3 | 大会3日目

コロンビア対ギリシャ;ウルグアイ対コスタ・リカ;イングランド対イタリア;コート・ジボワール対日本

かなり遅れてしまっただが、大会3日目の4試合についての感想を書いてみる。

コロンビア3:0ギリシャ

コロンビアは前評判ではこのグループ最強で、南米開催ということもあり、かなり先に進むのではないかとも言われている。一方ギリシャは堅守でカウンターで点を奪うというスタイルが確立されている。ギリシャのサッカーは観ていて非常に面白いとは思わないが、試合に勝つという点で有効であるには違いない。ただ、先制されると、作戦変更を余儀なくされる。コロンビアは5分に先制したため、ギリシャは攻撃に出る必要があったし、好機もあったが、ゴールを決めることはできなかった。コロンビアは後半に2得点で、差をつけての勝利となった。コロンビアは攻守ともに安定感があるチーム。

ウルグアイ1:3コスタ・リカ

スペインがオランダに1対5という得点差で敗れたことが大きな驚きならば、前大会4強のウルグアイが1対3でコスタ・リカ相手に負けるというのも大波乱。前半の前半は確かにウルグアイの方がよかったし、PKで先制点を得たが、その後はパスの精度があまり良くなく、動きもどちらかというと鈍かった。後半はコスタ・リカが攻める展開が続き、3得点。ウルグアイの守備はスピードある攻撃には脆そうに見えた。ウルグアイは終了間際に退場者まで出すという惨憺たる結果。

イングランド1:2イタリア

個人的にイタリアは好きなチームの一つ。特に Prandelli 監督下、積極的で流動性に富むサッカーになったし、司令塔の Pirlo 選手は試合を操るという点では、類を見ない才能。確かに個人芸が優れているサッカー選手は多くいるが、彼ほどの影響力を持つ選手は他にいないと思う。対してイングランドは世代交代で過渡期にあるチーム。いつもなら過度の期待という重圧、そして敗退後は散々に言われるのだが、今回はイングランド人もさすがに優勝という可能性はほぼなく、グループ・ステージを突破できれば、まずまずの出来との見方が主流。そのためか、あまり盛り上がっていないような気がする。この顔合わせとなった2012年欧州選手権の準々決勝で、イングランドは守りに徹して、90分120分で引き分けて、最終的にPK戦で敗退した。

さて、この試合では、立ち上がり早々にイングランドが積極的に出たし、若手の中心とも言える Sterling 選手の動きは素晴らしかったし、両チームともに攻撃に出る観ていて面白い試合展開となった。先制点はイタリアのCKから Marchisio 選手が力強いシュート。しかしその直後、イングランドが長いパスを活かして、中盤から前方左の Rooney 選手へ、そして Rooney 選手のクロスに Sturridge 選手が走り込んで合わせて、同点とした。

イングランドは Rooney 選手を左に配置したが、その分空間が出来てしまい、イタリアの攻撃はほぼ右から。決勝点となったイタリア2点目も右からのパスに Balotelli 選手が頭で合わせたことにあった。両チームともに好機あって、特に Rooney 選手には絶好のチャンスがあったが、シュートは逸れてしまった。終了間際には Pirlo 選手がFKで直接ゴールを狙って、惜しくもクロスバーに阻まれた。何回も動画を観たが、どうやればあのようなボールの軌道となるのか、なんとも摩訶不思議。

コート・ジボワール2:1日本

本田選手のゴールは豪快だったが、それ以外は日本代表にしてみれば残念な試合内容だっただろう。もちろん勝ち負けは非常に重要だが、負けたとしても、次に繋がる内容であればいい。なんとか勝っても、問題点ばかりが浮き上がってしまうと、それはそれで深刻である。特にこのような短期決戦のトーナメントでは、修正をする時間とてあまりない。まず2:1だったが、これはコート・ジボワールの拙攻にも助けられたところがあった。日本の攻撃の場面では、相手陣内での動きがなんとなく緩慢で、前ではなく横に短いパスが多かった。緩急をつけて、虎視眈々と空間と時間を見つけるという攻撃面での緻密性に欠けていたように思う。本田選手のゴールの場面のような動きが相手ゴール近くでより頻繁にできるかが鍵。一方、コート・ジボワールも勝ったはいいが、チーム全体のゲーム運びという面では、粗雑さがあったような気がする。サッカーはチーム・スポーツなので、個々の才能がチームの中で相乗効果を生み出すことが必須であり、それは自分の役割を理解して、作戦を遂行していかにゲームの主導権を握れるかにある。

何よりも、後半に同じ形で2分以内に2点奪われるというのは、褒められたことではない。この試合を通して右の内田選手と岡崎選手の軸を機能していたが、左の長友選手と香川選手の軸は特に守備の場面ではあまり機能していなかったし、日本は4−2−3−1でストライカーを起用する意義があるのか、疑問に思えてならない。個人的には本田選手は『偽9番』あるいは trequartista で起用できるし、岡崎選手は英語で言うポーチャー型の選手でゴール前の動きは良いし、そして香川選手はボールを保持してドリブルで突破できる能力を持っている。本田選手は前後左右によく動くし、岡崎選手と香川選手はサイドから入り込むことができる。4−2−3−1の問題はフォワードの有無というよりも、どうしても中盤が薄くなってしまうこと。中盤が薄いと、前へのパスもあまり出す機会はないし、もし前へのパスがなければ、前にいるストライカーは試合を左右できない。サッカー選手の優劣はボールを持っていない時の動きによく表れると思っている。ただテレビではあまり放映されないので、この試合で、大迫・柿谷・大久保3選手がどのような動きをしていたのか、あまりわからなかったが、どうもFW選手を有効に試合に引き込むことができなかった。

一方どうしても守備ラインの前の空間を抑えて、守備ラインが下がり過ぎないようにする中盤選手が必要に見えてしまう。この試合のように相手がボールを持っている時に4−4−2として、できるだけ空間を圧縮することはいいが、コート・ジボワールが Drogba 選手を投入した時点から、守備と中盤の2列があまりにも下がり過ぎたように見えたし、それに伴って中盤と前線の間が少々開きすぎていたような感があった。つまりこのような場合、ボールを奪ったとしても、すぐに反撃に出ることができない。絶対的なストライカーがいて、長いパスを受け取り、個人の力でゴールを決めることができればいいのかもしれないが、中盤中央を占めるような選手がいないとボールを長く前に送っても、まだ相手が持って帰ってくるだけ。何らかの4−3−3が良いと思うのだが。