サッカー | イングランド・スペイン&イングランド・スウェーデン

2011年11月15日

イングランド1:0スペイン (2011年11月10日)

欧州そして世界王者のスペインにイングランドが親善試合で勝った。これは作戦勝ち。そして若手選手が多く出場したのはイングランドにとっては朗報。とにかく守備を固くし、中盤にスペインに場所を与えない試合展開だったし、90分間守備と中盤の連繋が良かった。特に Parker 選手はイングランドにしては珍しく守備型中盤選手として要となっていた。そして巡ってきたセット・プレーからゴールを決めた。観ていて面白いサッカーではなかったが、実力の差を考えれば妥当な作戦だった。交代枠が通常の2倍あるので、イングランドは90分間守り続けることができた面もあったし、最後の15分間はスペインの猛攻をなんとか切り抜けた。

親善試合で勝ったからといってイングランドがスペインと同列になったわけではない。当たり前だが、球を持っていなければ、サッカーでは得点できない。相手に球を与え続け、守備からカウンターで得点機を狙うのは体力と集中力そして運を要する。もし先制されたら、作戦を変更しなければならない。スペインはこのように徹底的に場所を与えない守備的布陣の相手に対し苦労することがあるが、それでも作戦を変える必要はないだろう。この試合でも得点機はあったし、精度が高かったならば点を決めることもできた。スペインとイングランドではまだまだ差がある。

イングランド1:0スウェーデン (2011年11月15日)

イングランドが欧州選手権にて予選ステージを突破するには、スウェーデンのような相手から勝ち点を取る必要があるので、スペイン戦よりもイングランドのチームの型を見極めるにはこの試合の方が良かっただろう。

前半はスウェーデンがあまり振るわず、イングランドが攻める展開だった。イングランドの攻撃のパターンは、両翼を使い、素早くパスを繋ぎ、クロスでゴールを狙うこと。左サイドからの攻撃でヘッダーでこの試合唯一のゴールを決めた。後半も似たような展開だったが、スウェーデンにも機会があって、イングランドの守備の精度はスペイン戦に比べると格段に落ちていた。イングランドの型としてはこのサイドからの攻撃は有効に見えたし、中央前方にストライカーを配置してロング・パスを放ったり、ゴール前方の距離がある地点から直接ゴールを狙う攻撃的中盤選手に頼るよりは良いように見えた。

イングランドが来年の欧州選手権あるいは2014年W杯で優勝するとは思わないが、昨年のワールド・カップよりは良いチームとなっている。2014年ワールド・カップを目標として欧州選手権で思い切った若手起用も一案だと思われるのだが。