スマートフォン市場の展望

今後、スマートフォン市場はどのように伸びるだろうか。インターネット上ではいろいろな意見が見受けられる。これからどんどん成長するという見方もあれば、そのうち頭打ちになるという主張もあれば、スマートフォンは近くにタブレットに追い越され、モバイル端末はタブレット中心になるという意見もある。どれが正しいのか、将来のことだから予測がつかない。しかし、メーカーはどの市場に的を絞るのか、どの市場に伸び代があるのか、現在戦略を巡らせていることだろう。

ちょっと前まで、携帯電話にとって重要だったのは、小型化軽量化。電話とメールが中心であれば、正しい方向だったが、インターネットに接続できるスマートフォンでは、逆にどれだけ画面を大きくできるかが大きな要素になっている。ただ、大きくすれば良いということではない。スマートフォンの特徴は恐らく「片手で持ち、かつ操作できる」にあるので、大きくなりすぎると、片手だけでは利用できなくなってしまう。タブレットになると、片手で操作できたとしても、もう一方の手で持つことが多い。電話機能をタブレットに付け加えることはできても、人間の手を大きくすることはできない。

この「片手で持ち、かつ操作できる」にどれだけの需要があるだろうか。ロンドンの通勤通学時間の電車や地下鉄やバスの車内では、スマートフォン利用者が多い。ここ数年増え続けていて、機種も画面の大きさも多種多様となっている。たまにタブレットやキンドルを持っている人もいるが、立っている場合、片手はスマートフォン、もう片手は握り棒やつり革という光景が一般的。揺れるので、多くの場合、両手を要するタブレットは使い辛いだろう。電車でなくても、外出中、電話であったり、素早く何かを検索したり、ウェブサイトをさっと閲覧したりする場合には、スマートフォンは便利であり、普及してきたとは言え、まだまだ新規そして買い替えの需要はあるだろう。

もうコンピューターはタブレットという友人もいれば、キーボードがどうしても必要なのでタブレットではなくパソコンという友人もいるし、タブレットとノート型パソコン両方持っているという友人もいる。そしてほぼ全員がスマートフォンを保有している。つまりスマートフォンにコンピューターとして利用する機器を使っていることになる。例えば地下鉄の車内であればスマートフォン、職場や家だったらタブレットあるいはノート型パソコンと、時と場所と用途に合わせて切り替えている。中には、画面の大きなデスクトップ型パソコン、ノート型パソコン、タブレットにスマートフォンと4種類持っている友人もいる。ただ、タブレットをコンピューターの代替としている人はいるが、スマートフォンをコンピューターの代替とする人は私の友人ではいない。

スマートフォンでは、通話やメールの他に、ゲームやインターネットにあるコンテンツの消費を行ったり、写真を撮影したりすることはできるが、仕事の書類作成や写真の編集などにはまだ無理がある。消費者としては、スマートフォンでも充分かもしれないが、作成者としては、やはり画面が小さすぎる感じが否めず、スマートフォンという種類の端末には限界があるように思える。

すでにノート型パソコンとタブレットを組み合わせた機種が出回っているので、今後折りたたみ式の画面ができれば、スマートフォンとタブレットを組み合わせた製品が登場するかもしれない。スマートフォンくらいの大きさにもなれるが、タブレットそしてキーボード付きノート型パソコンとしても使える万能型コンピューターを期待するのは、ちょっと無理があるだろう。高速インターネットに常時接続できる環境は整えられてくるだろうから、モバイル端末は増え続けるはず。そして、どのような大きな機器が主流となるか、楽しみだ。