500ユーロ札

2010年5月13日

欧州の単一通貨ユーロには5・10・20・50・100・200・500と7種の紙幣が存在する。ご縁があるのはせいぜい50ユーロ札までで、200ユーロ札はこれまでに実際一度しか見たことがないし、100ユーロ札も数回目撃した程度。500ユーロ札は見たことも触ったこともない。なにせ大金。500ユーロは現在のレートで5万8600円ほど。

ユーロ圏ではない英国でも500ユーロ札が流通していたが、そのほとんどが犯罪組織の資金洗浄に使われていたという。札束なんて持ったことはないが、考えてみれば、大量の現金は嵩張るもので重たいはず。そのため、犯罪で得た利益を現金化して秘匿するのにこのように額の大きい紙幣は最適だという。現在の米ドルの最高紙幣額は100ドルだし、英国の場合は50ポンドで、500ユーロは便利。どうやって洗浄するのかというと、例えば麻薬取引で得たポンド紙幣を500ユーロ札に替えていた。犯罪組織は看板もない両替店を開き、500ユーロ札を仕入れて、ポンドと引き換えていた。このような資金洗浄を難しくするため、英国では両替店や銀行では500ユーロを置かないようになった。

もし日本が10万円札を発行するようになったら、犯罪組織の資金洗浄に使われるかもしれない。