映画短評 | Inception

2010年7月24日

夢、現実、潜在意識。夢と潜在意識の関係、夢の中の夢にある現実など、偉そうに大袈裟なことを書くこともできるだろうが、私はどちらかというと映画は娯楽として、楽しみながら消費する浅はかな人間。演技が良くて、ちょっと考えさせられる映画は好きだ。観たあと、何となく賢くなったような気分がする映画に数えられるかもしれないのが今晩映画館で鑑賞した Inception。

どうしても『タイタニック』の印象が強過ぎてか、結構良い役者なのに、なぜか沈む船を連想してしまうレオナルド・ディカプリオ氏主演。彼は他のメンバーと共に他人の夢、無防備な潜在意識の世界に入り込み、情報を盗むのを仕事としている。しかし、いろいろあって、他人の夢の中の夢、つまり階層的な夢の世界という深い潜在意識に潜り込んで、ある考えの種を植え付けることを行おうとする。種は他人が植え付けるが、育てるのは本人。つまり自分の考えだと思い込ませる。しかし、どれがこの映画の中の世界で現実なのか、だんだんわからなくなってくる。誰が誰の夢の中で何をしているか、まるで迷宮に迷いこむよう。

渡辺謙氏も出演し、迫力ある演技。そして渡辺氏演じるサイトウ氏が、この映画の話の筋で中心的な役割を果たす。結構こんがらがった話で、次にどのような展開になるか予測があまりつかず、だんだん映画の世界にのめり込んでしまう。それでも最後になんとなく分かったような気分になるのが不思議。