ベルギー | 内閣総辞職

2008年12月19日

ベルギーに着いたら、また政治危機だ。今日(12月19日)ベルギーの Yves Leterme 内閣が総辞職する予定で、国王が受理するかどうかが注目される。金融危機で窮地に陥ったベルギー・オランダ・ルクセンブルクの銀行 Fortis のベルギー分を、政府が一時国有化し BNP-Parisbas へ売却したが、銀行の株主と充分な協議なしに行われたとして、法廷で争われたのが発端だ。問題は政府(法相)が不当な圧力を最高裁判所あるいは抗告院・破棄院・破毀院などと訳される Hof van Cassatie / Cour de Cassation にかけたとされたことにある。内閣総辞職の前に法相 Jo Vandeurzen がすでに辞任しており、機能不全となっていた。

上記は Ghislain Londers 最高裁判所長官 (eerste voorzitter van het Hof van Cassatie)が Herman Van Rompuy 下院議長(Voorzitter van de Kamer van Volksvertegenwoordigers)に送った書簡の一部。蘭語は習ったことがなく、独語と英語の知識を合わせて粗筋がわかる程度のため、おそらく誤訳があると思うので、もし蘭語ができる方が閲覧されたならば、ご一報願う。蘭 ▶ 独 ▶ 英 ▶ 日というように頭の中でリレー翻訳をしているので、特に後半の文には全く自信がない。抄訳すると、「この状況下では少なくとも検事総長(procureur-generaal)が、法相の意を受けて第18法廷の2裁判官(magistraten)に圧力をかけたという印象を与え、また検事総長は『劇的な方向転換』を回避するためには、全く違う裁判官の法廷をもって新しくこの件に当たらせると示唆した」とある。つまり明らかな政治の司法への介入。