ベルギー | 新政権発足はいつ?

2011年1月7日 | 最終変更:2011年1月12日

昨年2010年6月の総選挙以来、結果を反映した新政権の樹立を目指して、もう200日以上経過したベルギー。2007年の時は選挙から新内閣承認まで194日かかったので、慣れているとすれば慣れているのかもしれないが、それでも異常の長さ。

これまで数名の政治家が国王から各党との折衝や調整をする交渉役として任命されたが、それぞれ失敗。この3ヶ月間ほど、なんとか対立する仏語圏と蘭語圏の政党をまとめようとした Johan Vande Lotte 氏も匙を投げて辞任を表明。まだ国王は辞任を受理していないが、先行きはかなり不透明で、再び選挙を行うという案も取りざたされている。

ベルギーの政治空白は経済や国債にも悪影響を及ぼすと危惧されている。そして単一通貨ユーロを更に不安定にする要因ともなっている。ベルギーの債務残高は GDP に対しておよそ100%で、欧州連合内ではギリシャとイタリアに次ぐ高さ。決して健全とは言えない。

このままずるずるとベルギー国家が消滅する可能性もどんどん現実性を帯びてきたように思う。

2011年1月12日

仲介役の Vande Lotte 氏は辞表を取り下げ、各党との交渉を続行することになった。国王が慰留したこともあり、また政党の中からも Vande Lotte 氏がその職に留まる声があがったそう。フランデレン地域の第1党 NVA 党首 De Wever 氏とワロン地域の第1党 PS 党首 Di Rupo 氏と3者でこの状況打破を目指す模様。しかし成功するだろうか。

なお、ベルギーには多数の政党があるため、政権は下院で単純に過半数だけでは足りず、仏語・蘭語各圏にて過半数あるいは過半数に近い議席を必要とする。結果として、現在リベラル系政党を除く7党による連立政権を目指している。