パソコンを自作する

この数年間ノート型パソコン3台を利用してきた、それも2台はもうとっくに寿命が過ぎている MacBook と Chromebook で、いつ再起不能に陥るかハラハラしながら騙し騙しに。そして大抵は家で使っている。古いノート型パソコンでも、文書の作成やウェブサイトの閲覧程度ならば、格別問題があったわけでもないのだが、写真の編集となると難しく、またやたらに作動が遅いのにつくづく嫌気がさしてきたので、新しくデスクトップ型パソコンを買おうと、街の家電屋の店頭を覗いたり Amazon などネット販売店で調べていたのだが、どうも安くて高性能のコンピューターが見当たらなかった。確かに Apple のパソコンの性能は高いかもしれないが、値段も高くて、とても手が届かない。製品として素晴らしいと思うが、だからと言って Apple 至上主義者でもない。また、ここ数年は Windows から遠ざかっていたが、別に絶対にマイクロソフト反対というわけでもないので、いろいろと Windows 搭載のコンピューターも物色したのだが、どうも「これだ」と思えるのは見つからなかった。安いデスクトップ型パソコンは多くあるのだが、性能がいまいちで、ノート型パソコンよりも劣るのが多かった。買うならば、少なくとも今後数年は使えるコンピューターが良い。安物買いの銭失いにはなりたくない。

迷ったあげく、部品を買って、コンピューターを自作してみようと思い立った。ゲームをするために非常に高性能なコンピューターが必要だというわけではなく、インターネットでテレビ番組を観たり、文書の作成や編集、またこのウェブサイトの更新などができれば良い。後に部品を取り替えたり追加したりして、性能を向上させることもできる。さて、パソコンを自作しようと思い立ったのは善しとしても、どの部品が必要で、何を基準にすれば良いのか、皆目見当がつかなかった。ネットで自作パソコンについて調べると、多くの場合、ゲームを楽しむ人達がいろいろと熱心に語り合っていた。結局、必要最小限の部品の値段と性能を天秤にかけて選び Amazon で一括購入して、組み立てることにした。

最初に決めたのは、マザーボードの大きさであるフォーム・ファクタだった。これで選択肢を減らすことができるという、安直な理由で。ケースが大きくても置く場所はあるので、ATXでも良いかとも思ったのだが、図体だけ大きいコンピューターを作っても仕方がないと思い、マイクロATXに決めた。ただし、この時点では、どのマザーボードにするか決めていなかった。その前にCPUを決めなければならなかったから。訊いた知人の多くは Intel 派だったが、値段という理由だけでAMDにした。AMDでもFXとAという2シリーズがあるのだが、マイクロATXのマザーボードの種類と値段からしてAシリーズが妥当という結論に至った。その後は、ほぼ Amazon のお勧めと値段でケース・マザーボード・電源・メモリー(主記憶装置)・HDD(補助記憶装置)を選んだ。

買い揃えた部品は以下の通り。

ケース

Fractal Design Core 1300 Series Micro ATX Case

派手ではなく、シンプルで安目のケース。

マザーボード

Asus A88XM-PLUS

Amazon で半額近くで売られていた。

CPU

AMD A10 7700K

今回買った部品で最も高かったが、それでも£100以下。A8シリーズの方がやや安かったが、値段差以上に性能に差があったと考えたため。冷却装置も付属ので充分。

メモリー

HyperX Savage 8 GB 2133 MHz DDR3

4GBを2つ買うのと値段がほぼ変わらず、今後の増設の余地も考えると8GBが妥当という判断。

電源

Corsair Builder Series CXM 430W

定番ともいえる電源だろうか。430Wあれば当分の間大丈夫だろう。

HDD

WD 1TB 3.5 inch Internal Hard Drive

そのうちSSDが安くなるだろうし、多くのデータは外付けHDDに保管しているので、1TBでしばらくは足りるだろうという楽観的な見方。

無知とは恐ろしいもので、かなりちぐはぐなコンピューターを作ったようだ。なお、光学ドライブは必要ないと思ったため、買わなかった。

大した問題もなく、コンピューターは組み立てたのだが、OSが必要。最初は Linux の中でも利用者の多い Ubuntu にしようと思っていたのだが、恐らく私のミスで起動用USBの作成に失敗したので、代わりに openSUSE をインストールした。これまで Linux をインストールしたことはなかったので、ちょっと不安でもあったが、特に違和感を覚えることはなかった。もっとも、まだインストールしてから数日も経っていないので、なんとも言えないのかもしれないが、必要なソフトウェアはあるし、日本語入力も問題なく、使い勝手もよくて、正解だったと思う。そしてなんと言っても、速い。

これからこのサイトの更新も捗るようになるだろうか。