カフェで仕事する人が羨ましい

ロンドンの街中、カフェに行くと、表情と雰囲気から推して、コンピューターに向かって仕事をしている人を見かける。それも、息抜きにカフェに行ってちょうど良いから短い案件を終わらせる、あるいは急なメールが入ってきたので直ぐに返信するという様子ではなく、腰を据えて仕事をしている。

私の場合となるが、趣味のようなこのサイトに掲載する駄文を書くのであれば、それこそカフェでもパブでもハンバーガー屋でも構わないが、他者からの依頼で報酬を受け取る「仕事」になると、家でないと落ち着かない。これは大きなディスプレイにキーボードがないと、仕事が捗らないという理由もあるが、それ以上にセキュリティー面に不安が残るため。一つは公共の場で提供されているインターネット接続に関するセキュリティー。まあ、あのように仕事をしている人達は、VPNを利用しているのだろうけれど。もう一つは守秘義務のセキュリティー。秘密を漏洩したら刑事で罰せられる職種ではないが、民事で問題となりうるし、信用を一度に失う。信用を失えば仕事もなくなる。カフェが公共の場である以上、誰かにノート型パソコンなりタブレットなりスマートフォンの画面を見られてしまう「可能性」が存在する。同業者でないと分からないような事が多いので、実際に起きることは稀で0にかなり近いだろうが、「可能性がある」だけで避けたいし避けるべきと思う。

時には外出中に急な仕事が舞い込むことがある。依頼主に確認して、もし本当に待てないのであれば、公共の場でモバイル・データを使う旨を伝えて了承してもらう。モバイル・データを使うというのは、公共無線LANではなく、スマートフォンをテザリングしてモバイル・ホットスポットとすることで、ノート型パソコンを利用すること。それでも「嫌だな」というのが本音。取り越し苦労だろうか、カフェで悠々と仕事をしている人が羨ましい。