2016年:不安の年

2016年は4年に一度のサッカー欧州選手権・夏季五輪・米大統領選挙の年。どのようなドラマがあり、どのような感動があり、どのような将来像を巡って論戦があるのか、「楽しみ」とは言わなくとも、いつもなら期待したいところだが、今年はいずれにも何となく重苦しい不安が付き纏う。

フランスで開催されるEURO2016には、パリやブリュッセルにおけるテロ事件があったため、必然的にテロの心配が残る。一方、リオ・デ・ジャネイロ五輪ではジカ熱という脅威と、経済の停滞と大統領弾劾裁判という不安定要素がある。サッカーのワールド・カップは良く開催できたが、オリンピックも無事に終るだろうか。これらの大会でニュースとなるのがスポーツだけであることを願いたい。

米国の大統領選挙では、トランプ氏が共和党候補になることが確実となった。11月の大統領選挙でトランプ氏が勝つとは思わないが、可能性があることに恐怖を覚える。もし予想に反し勝ったら、トランプ氏は果たして大人しくなるだろうか。そうとも思われない。想像するだけで怖い。

そして英国では来月、EU離脱・残留を決める国民投票が行われる。世論調査によれば、現在、拮抗しているらしい。離脱となれば、経済への影響は少なくとも短中期的に多分「悪い」か「非常に悪い」かのどちらかだろうし、英国の国内政治、また国際政治にも波紋を起こすだろう。

2016年はどんな年として記憶されるだろうか。不安が杞憂であればよいのだが⋯⋯。