テニス | 心技体と5セット制

現在ウィンブルドン選手権が行われている。変な表現かもしれないが、テニスはある種の格闘技だと思っている。ネットによって空間が分断され、ラケットとボールという媒体のため、直接相手と闘うわけではないが、問われるのはまさに心技体。そしてダブルスという試合形態もあるが、やはり注目されるのは一対一のシングルス。私は格闘技は観ないが、なんとなくテニスを観ていると、格闘技を好む人の気持ちが分からなくもないような気分になる。更に大袈裟に言えば、その昔ローマで剣闘士に熱狂した人々にも通ずるところがあるのかもしれない。テニスは、精神力も技量も体力も試される競技で、優勝できるような選手は心技体全てを要する。

ウィンブルドン第2コート。2016年7月3日撮影。

また、テニス全般もそうだが、殊にウィンブルドンでは紳士淑女であることが求められている。フェデラー選手が強靭な心技体の持ち主である紳士の好例だろうか。その一方で、悪童と呼ばれるような選手の人気が高いのは、テニス選手として必要とされる「力強さ」と、ウィンブルドン選手権参加者として求められる「紳士淑女」に、微妙なズレがあるせいかもしれない。

さて、ウィンブルドンなどグランド・スラムの大会で、男子選手は試合に勝つため3セット取ることが求められる。一方、女子選手は2セット。いつも女子の試合でも3セット先取制にできないかと思っている。賞金が同額なので、試合に勝つのに3セットを必要とする男子に対して不公平だからという理由ではない。観客としては、心技体がもっと試されて、今まで以上に面白くなると思うから。

もちろん一方的な試合もあるが、多くの場合、試合には流れというか、途中でちょっとしたスランプがあったり、あるいは劣勢だった選手が盛り返したりと、いろいろなドラマがある。5セット制だと、序盤の調子が悪くて2セットを落としたとしても、まだ巻き返すことができる。しかし3セット制だと、第1セットの終盤と第2セットの序盤でいくつかポイントを取られて、ゲーム差が広がると、かなり厳しい試合となる。

女子選手は十分に5セット制の試合を行えるはず。ただし、試合の平均時間が長くなるため、大会運営の観点からは難しいだろう。それならば、せめて女子の16強あるいは準々決勝から決勝までの試合を、5セット制にできないものだろうか。