抹茶ヨーグルト

もうかなり前のことに思えるが、2月末に長い間放置していた親不知を抜歯して、その後風邪を引いてしまい、どうも体の調子が良くなかった。ロンドンでは雪が降ったりと寒い日が続いていた。こうなったら、やはり⋯⋯医者に行って、風邪は治ったものの「腸の調子が悪く通じも不定期で集中力が途切れ気味で体が怠くて仕方がない」と説明したところ、抜歯後に服用した抗生物質によって腸内細菌のバランスが崩れたかもしれないとのこと。ヨーグルトなどを食べて乳酸菌を摂取したらどうかという提案があった。もし体の怠さが続くようだったら「採血して検査することも考えましょう」と言われた。

ヨーグルトは抜歯後固形物を噛めないときに食べていたのだが、抗生物質服用中だったので乳酸菌が腸に届いていたとしても、抗生物質に影響されたのだろう。その後もヨーグルトは食べていたが、毎日ではなかった。他の人は体の不調には何か違う理由があるのではないかと懐疑的だったが、ヨーグルトを食べるだけで改善するなら、それに越したことはない。胃腸の具合が悪くなるのはストレスに起因することもあるし、病は気からというからブラシーボ効果であってもよいだろうと思い、ここ2週間ほど毎日ヨーグルトを食べている。腸の調子はよくなったような気がするし、体も気持ちも軽くなったような。

英国で販売されている定番であるベリー系(ストロベリー=イチゴ・ブルーベリー・ラズベリー)の他にルバーブ入りなど、いろいろなヨーグルトを買ってみたが、どうも変なものに変な方向で凝りだす性分なので、ギリシャ・ヨーグルトに抹茶を混ぜてみた。アイスクリームにも合うんだから、ヨーグルトにも合うだろうという安易な考えで。ギリシャ・ヨーグルトは水切りヨーグルトで固めというか粘度があって濃い。スプーンでかき混ぜると抹茶というよりもアボカドかピスタチオのような明るく鮮やかな緑色になった。もう少し抹茶を足してもよかったのかもしれない。

味の方だが⋯⋯美味いと思う。砂糖かはちみつかなにか甘味を入れた方が抹茶の味を引き立てるだろうが、個人的にはこのままで良い。濃厚でやや酸味のあるヨーグルトの味がしたあと、ほんのりと苦い抹茶の香りが口内に広がる。ちょうど良い感じで味が変わる。まあ、私の味覚がおかしいだけかもしれないが。

次はきな粉でも混ぜてみようか⋯⋯。

《蛇足1》

写真にあるギリシャ・ヨーグルトが Greek style natural yogurt となっているのはギリシャ風ヨーグルトであってギリシャ産ヨーグルトではないため。法廷でも争われたのだが、英国で Greek yogurt と呼べるのはギリシャで生産されたヨーグルトのみ。

《蛇足2》

英国でもスーパーでお茶として飲む matcha が売られるようになった。これは抹茶が健康に良いという評判で広まっているため。抹茶アイスは需要がありそうなので、日本から輸出するなり現地生産しても良いのでは。もっとも私が抹茶アイスが好きで手頃に入手したい願望の現れだが。