脂質率5%の牛ひき肉

先日スーパーへ行ったら、牛ひき肉が見切りで安くなっていた。脂質率5%という「健康的」なひき肉。脂質率が低いほど値段が高い。隣には脂質率20%のひき肉もあったが、見ただけで胃がもたれそうに。

ひき肉だったらミートソースにして次の日の昼食のパスタに合わせようと思い立って、出来合いの瓶詰めのソースも買って意気揚々と帰宅。このように記事にするかもしれないからと写真を撮って初めて気付いたのだが、買ったのは lighter という種類で通常のソースより油脂が30%少ない。まるで意識してダイエットをしているような組み合わせ。確かに腹回りが気になるので、油脂の摂取制限は良いことなのだが⋯⋯。

英国ではミートソースをボロネーズと呼びスパゲッティと絡めて食べる。つまりスパゲッティ・ボロネーズ、口語ではスパッグ・ボル (spag bol) とも言う。イタリアではソースをラグーと呼び、ボローニャ風であれば使うパスタは主にきしめんのようなリボン状のタリアテッレ。でも今回はスパゲッティでもタリアテッレでもなく、既に開封していたリガトーニを茹でた。このリガトーニというパスタは環状で中に大きなあり、外側にはギザギザがあって、ソースをしっかりと含んでくれるだろうと思って選んだ。

話は少し変わるが、このひき肉はアイルランド産の牛肉。牛はアイルランドの食肉処理場で処理されたが、ひき肉に加工されたのは英国。そして英国のスーパーで販売されていた。もし英国が10月末に合意なく欧州連合から離脱した場合、モノが国境を容易に往来することはできなくなるかもしれない。このひき肉を例にすれば、アイルランドの畜産家にとって輸出することが困難になり、生産や流通に支障をきたし、英国の消費者の手には届かなくなるという可能性が。

作ったソースは2日分の昼食になった。いくら脂質率が低いひき肉と油脂が通常より30%少ないソースでも、 食べ過ぎれば元も子もない。3回に分けたほうがよかった。