病気不安症?

月初の2日に、今月はこのサイトに記事や写真を載せるという決意をしてから、20日以上経ってしまった。写真は掲載したが、記事は書かず仕舞い。なぜだろう、時間は十分にあったのに。英国では3月23日以来外出が制限されているため、家に籠もっている日々が続き、倦怠と無気力に支配されたのか。

なにか些細なことで自分は大病になったのではないかと思い込む人がいる。インターネットで症状を調べているうちに不治の病に罹ったと確信したり、重い病気になったと次から次へと医者をはしごしたり、軽い症状なのに今にも死ぬと生前整理を始めたり⋯⋯。このように病気ではないのに病気だと信じ込むことを、英語で hypochondria と呼び、日本語で「病気不安症」という。本人は本当に病気になっていると信じているので、病気ではないのに病気のふりをする仮病詐病とは違う。他人からしてみればおかしいことだが、決して笑い事ではない。ひどい場合は生活に支障をきたすだろうし、家族や友人や同僚は振り回されることになる。そして本当に重い病気になっても他人が信じてくれないという可能性すらある。

現在世界で新型コロナウイルス感染症が蔓延しているので、病気不安症の人は大変。自分は病気不安症ではないと思っているのだが、友人から軽い病気不安症だと揶揄されることもしばしば。先々週2日程咳き込んだので、その時「これはひょっとしたら⋯⋯」と思ったのは事実。一人暮らしで外出先は2軒のスーパーに限られていた。感染したのはどちらのスーパーだっただろうか、などと勘繰ったりもした。ただ熱を計ったところ平熱で、他の症状もなかったので、新型コロナウイルス感染症ではなかったと結論付けた。ほぼ同じ時に手の甲に蕁麻疹が出たが、これは何かのアレルギー反応のようで、少なくとも新型コロナウイルス感染症の典型的症状ではなかった。しかし感染の可能性を完全に否定することは不可能。咳き込んだ日以来外出は一切せず、生鮮食品もネットで買って配達に頼っている。ちなみに一人暮らしの場合、どんなに軽くても症状が出てから7日間の自主隔離を英政府は定めている。

新型コロナウイルス感染症罹患者の中には無症状や非常に軽症で済む人たちも多数いると報道されている。罹って回復すれば免疫がつくという前提が正しくても、新型コロナウイルス感染症を発症して検査を受けて陽性とならないかぎり、多く人たちは新型コロナウイルス感染症に感染して免疫が付いたのか、それとも未感染で細心の注意を払うべきなのか、高精度の抗体検査が確立されるまで知るすべがなく不安を抱えることになる。英国では、自主隔離の期間を終えて再び症状が出れば、新たに自主隔離を始めなければならない。実際には未感染なのに、既に罹って免疫が付いたと勝手に思い込み、高リスクの行動で感染して、無症状感染者として他人にうつす危険もある。

英国では5月13日に限定的な外出制限の緩和が行われた。未だに連日3千人ほどの新規感染が確認されているので、この数値が低くなるまでは、よほどの理由がないかぎり家に籠もるつもり。しかし長期間外出せず身体が鈍ったのか、昨日は異様な疲労と徒労感に襲われ、滅多にしない昼寝を貪った。重大疾患の前兆でなければ良いが⋯⋯。