みかん

「一番好きな果物は?」と訊かれたら、答えに窮する。色々な果物を思い浮かべる。マンゴー、石榴、ブルーベリー、メロン、スイカ、ブドウ、デーツ、杏、龍眼⋯⋯。最近スーパーの Marks and Spencer でマンゴーが1個65ペンスという特価で販売されていたとき、ほぼ毎日夕食後のデザートとして食べていた。石榴は実を取り出すのに時間がかかるが、その分だけ美味くなるような気がする。ブルーベリーはヨーグルトに蜂蜜と一緒に入れるのが定番。どれが一番好きか、決めがたい。

でも「今後一切食べられなくなると困る果物は?」という質問だったら「みかん」と即答する。果物について『ホトトギス』第4巻第6号に認めた正岡子規によれば、みかんは「誰れも嫌わぬもので最も普通なもの」である。べたといえばべた。あったらついつい次々と食べてしまう。確か子供の頃みかんを食べすぎて柑皮症になったことがある。英国のスーパーではみかんが一年中どこからか輸入されていて簡単に手に入る。落語『千両蜜柑』のように大枚を叩く必要もない。

夕方 Tesco で今日が消費期限のみかんが見切り品として安くなっていた。袋には有機栽培の小ぶりのみかんが8つ。2袋計16個買って、まあまあ甘く既に10個ほど食べてしまった。