Gr... | ギリシャ危機と造語

Grexit, Greccident / Graccident, Greferendum, Gremain, Grimbo, Grecovery

ギリシャ危機が続く中、単語の頭に Gr を付けた新しい造語が、メディアで頻繁に使われている。「ギリシャのユーロ圏離脱」を意味する Grexit (Greece + exit) は、新聞やテレビでも汎く使われていて、ほぼ誰でも知っている単語となった。意図的ではなく「偶発的なギリシャのユーロ圏離脱」という意味で Greccident または Graccident (Greece + accident) という造語もある。最近の「ギリシャ国民投票」は Greferendum (Greece + referendum) と呼ばれていた。また「ギリシャのユーロ圏残留」という意味で Gremain (Greece + remain) という単語も出てきたし、債務不履行の状態で、他のユーロ圏の国々との合意がなく支援もない中、加盟国が離脱する過程が定められていないので、「ギリシャが不完全な形でユーロ圏に居残る」という意味合いで Grimbo (Greece + limbo) という造語も見かけるようになった。現時点では可能性は低いが、「ギリシャ経済の回復」を指す Grecovery (Greece + recovery) もある。

このように新しい言葉がどんどん誕生するのは、非常に興味深い。みだりに新しい単語を量産するべきではない、という意見もあるだろうし、その気持ちもなんとなく分かるのだが、このように的確で覚えやすく、意味も伝わりやすい場合、特に目くじらを立てる必要はないように思う。これらの造語は、インターネット、特にソーシャル・メディアでハッシュタグとして利用するのに便利で、今のニュースの伝播を反映しているのだろう。さて、次はどの単語に Gr が付くだろうか。