トウキビとコーン

北海道でとうもろこしのことをよく「トウキビ」と呼ぶ。全道で通じると思う。生まれだけ北海道なので、北海道の言葉や表現を全て知っていて使うわけではないが、トウキビは使う。例えば「トウキビ畑」であって「とうもろこし畑」とは言わない。下記の研究報告によれば新潟・山形両県の一部でも、北海道同様にとうもろこしをトウキビ(報告では「トーキビ」と表示)と呼ぶらしい。また青森や北海道の道南では単に「キミ」とも。他に「トーキミ」や「キビ」と呼ばれることがあるらしいが、キミ・トーキミ・キビを「とうもろこし」の意味で使うことはないし、少なくとも札幌や石狩で聞いた記憶はない。

日本語の研究者ではないので、間違っているかもしれないが、トウキビを漢字で書くと「唐黍」なので「唐の黍」あるいは「唐から来た黍」ということだろう。そうであればとうもろこしは唐のもろこし。もろこしを漢字で書くと「蜀黍」または「唐黍」で「唐土」と同音。唐は中国そして外国全般を指すし、蜀にも四川省と限られるが遠くの国・地域という意味があるはず。唐蜀黍・唐唐黍では重複するので、とうもろこしを漢字で書くと玉蜀黍になる。

とうもろこしは英語で corn だと思う人は多いはず。確かに corn は米国英語でとうもろこしだが、英国英語だとイングランドで小麦そしてスコットランドで燕麦を主に意味し、また穀物全般も指す。19世紀前半に英国の地主の利益保護のために穀物の輸入を制限したり関税を課した「穀物法」は Corn Laws である。英国英語でとうもろこしは maize だが、とうもろこし澱粉コーンスターチ(米国英語の cornstarch)は cornflour で、焼きとうもろこしは corn on the cob なのでややこしい 。