ドイツ | ベルリン・テンペルホフ廃港

2008年10月29日

一度はやってみたいと常々思っていたものの、出来ずじまいになってしまったことが、また一つ増える。それは、ベルリンの街の真ん中にあるテンペルホフ空港から飛行機に乗ること。数年前ベルリンに住んでいたとき、古文書館に行くのに近郊電車に乗っていると、頭上すれすれに轟音を立てながら離着陸する飛行機をよく見た。

第三帝国時に建設され、空港周辺の建物もその時代のものとすぐにわかる。第二次大戦後、西ベルリンがソ連によって封鎖されたときには、米英空軍がベルリンを補給するために行った「ベルリン空輸」を代表する飛行場となった。そのため、ドイツの20世紀の歴史とは切り離すことのできない存在。しかし騒音問題や拡張ができないため、ベルリンの他の2空港テーゲルとシェーネフェルドに多くの便が移り、廃港することが決まっていた。

ただ西ベルリン子にとってはベルリン空輸という生命線の象徴だったこともあり、存続を求める住民投票が行われ、存続派が6割超の票を得たものの、投票率が3割に留まったため、ヴォーヴェライト市長は予定通り閉鎖することにした。そしてついにその日がやってきた。常に変化するベルリンだが、少々残念。