経済 | 空売りとフォルクスヴァーゲン

2008年10月28日 | 最終更新:2008年10月29日

ここ数日間、英国の経済についていろいろ書いてきたが、本当のところ私は経済(学)というものをあまり理解できないし、理解していない。実体経済でスーパーで買う食料品の値上がりや、資源として限られている石油の値段が供給と需要の関係で上がったり下がったりし、バブルが弾け不動産の価格が下がること、また国の信用度や経済力や利率などで通貨や金属が相対的に強くなったり弱くなったりすることはわかるような気がするが、株や市場になるとさっぱりわからない。ゆえに、これまで偉そうに書いてきたことは新聞の受け売りにしか過ぎない。恥の上塗りになるだろうが、さらに無知を曝けたい。

株価が乱高下していて、ドイツでは先週金曜日200ユーロ以下だったフォルクスヴァーゲン社の株価が一時1000ユーロ以上になったという。株なんぞ持たない身でも、このような値段が異常だということはわかる。ことの発端はポルシェ社が日曜日にフォルクスヴァーゲン社の株74%を取得したことを公にしたことらしい。ニーダーザクセン州が20%の株を保有しているため、実際に取引される株は会社の5から6%くらいという。まあ、それなら少し高くなるかもしれないが、これほど株価がつり上がっている背景には、リーマン破綻のきっかけともなったといわれる『空売り』があるそうだ。

空売りとは結局、持っていないもので大博打を打つことらしい。他人から借りるなりして株を調達し、これから株価が安くなると見て、まずその借りた株を売り、安くなったところで買い戻し、貸し手に借りた株を返すことにより得られる利鞘で利潤をあげているということと解釈している。これから株価が下がるという博打に打って出た矢先に94%ほどの株が事実上市場から消えたため、慌ててどんな値段でどんな大損になってでも株を買い戻さないといけない状態になったらしい。

どうも危険なのは、ただ他人の株だけを借りたわけではなく、金をも借りている(leveraging)という。他人の金を使うことで、比較的小額の自分の元本でも、空売りで成功すれば株や金を返済したあとでも巨大な儲けが見込めるということだ。逆に失敗したら損失は莫大な額となり、借りた株・金をも返さないといけなくなり、破滅状態になってもおかしくない。

ギャンブル中毒者が大損になったところで同情する人は少ないだろうが、この金融危機の時期だと他人を巻き添えにする可能性がある。空売りなどでの損失がさらに連鎖反応を起こすようなことがないことを願ってやまない。