自ら退路を断つ北朝鮮?

北朝鮮は狼少年と化しているのだろうか。日々過激になる北朝鮮の言動を目にすると、不安となる。北朝鮮が武力行使や戦争を示唆して威嚇することは、よくあることだが、今回のように比較的長い期間に渡って、エスカレートしていったことは、過去にもあまりなかったような気もする。そして、寧辺の原子炉再稼や、ミサイルを再び発射する兆候を見せるなど、もうほぼ切れるカードは切ってしまい、本当に何らかの武力行為に訴える以外、もうこれ以上の挑発はない。つまり行動を伴わずに過激なことを言えば言うほど、これから選択肢はなくなり、単に虚勢を張っていることがどんどん露わになってきてしまう。

危機を「演出」することにより、世界の注目を朝鮮半島に集め、中国とロシアが米国を牽制するような形で仲介し、米国から何らかの反応を得て落としどころを探すのは、北朝鮮がこれまでよく使っていた筋書き。でも、米国は北朝鮮の度重なる挑発に対し、今回は抑止力を見せつけようとしているようだし、中国もロシアも緊張緩和を訴えるものの、以前と比べると北朝鮮の立場を積極的に支持しているようには見えない。

それでも実際に戦争になることは、まずないだろう。戦争となれば、どう考えても、負けるのは北朝鮮である。そのため、過激な言動は国内向け、そして締め付けだろう。言動が過激なほど、金正恩体制の基盤が脆弱であることを示しているとも言えるだろうか。しかし、ここまで強気に出たのに、米国からの譲歩もなく、国内向けに「勝利」を見せつけることができないと、金正恩氏の威信に傷がつき、求心力は低下するだろう。そのため、戦争をしなければ体制が崩壊してしまうので、一か八かの戦争に訴える可能性もなくはないし、北朝鮮が米韓に攻撃されると思い込んで、逆に先制攻撃を加える展開もあるだろうか。退路を自ら断っている北朝鮮の暴走がなければいいのだが。