2012年フランス大統領選挙第1回投票

2012年4月22日〜23日

出口調査や一部の集計などをもとに、フランス都市部の投票締切時間である現地時間午後8時直後に発表された予測によれば、社会党のオランド氏が約28.4%の票を得て1位となり、現職のサルコジ大統領が25.5%で続く形となっている。第2回投票、すなわち決選投票は、オランド氏対サルコジ大統領となる。

しかし今回の選挙で一番驚くべきことは、3位に国民戦線のマリーヌ・ル・ペン氏がおよそ20%の票を得たことだろう。得票率20.0%は、同氏の父のジャン=マリー・ル・ペン氏が2002年の決選投票に進んだときに得た16.9%を上回る。なお、4月19日付の世論調査によれば、ル・ペン氏の支持は有権者の約15〜17%と予測されていた。国民戦線がフランスの有権者から根強い支持を得ていることを物語っている。

これまでの世論調査によれば、オランド氏対サルコジ大統領というシナリオでの決選投票では、約12%程の差でオランド氏がリードしているので、サルコジ大統領にとって、再選への道はかなり厳しい。

時間が経過するにつれ、予測に変動があった。現地時間午後9時43分 Le Monde 紙によれば、オランド氏の得票率は28.4%から28.8%に上昇し、同じくサルコジ大統領も25.5%から26.1%と上方修正されている。一方、ル・ペン氏は20.0%から18.5%に下落。

日付が変わって、2012年4月23日午前0時19分に発表された一部選挙結果に基づいた予測によれば、オランド氏の得票率は28.44%に下がり、サルコジ大統領は27.05%と更に上昇している。ちなみにル・ペン氏は18.27%という数値になっている。オランド氏の得票率予測は22日午後8時発表とほぼ同じだが、サルコジ大統領の得票率予測は開票が進むに連れて約1.5%上昇したことになる。

《蛇足》フランスでは、投票時間中、メディアが出口調査や予測を発表することは禁止されている。しかし、インターネットのソーシャル・メディアには拘束力がなく、また隣国のベルギーやスイスのフランス語の新聞サイトにも情報がいち早く載るため、フランスからのアクセスが殺到するのか、ページが表示されないことも。