G20・金融サミット

2008年11月15日

金融サミットが閉幕した。このようなサミットは、金融危機に対して一致団結した政治的意志があることを示すことが重大で、具体策はこれから協議されるだろう。市場の透明度の向上と適度な監視管理体制、国境を超えての協力と連繋、国際金融機関の改革、そして経済新興国の発言力拡大など、表明されたことを歓迎する。公共投資や減税など各国の個々の政策と合わせ、この協調体制によって、世界的な不況は免れないとしても、大恐慌再来は避けられるかもしれない。ただ具体案を練る過程で、例えば雇用維持を目的に保護主義に転ずるべしという国内の圧力が加わるなど、各国の市場主義に温度差が出るだろうから、意見を纏めることのできる人物と国際協力と原則を維持する確固たる意志が必要となる。これは次期米国大統領オバマ氏の最初の試練のひとつだ。各国の首脳には次の選挙ではなく、10年後20年後先を常に視野に入れた、真のリーダーシップを発揮してほしい。