ドイツ・メクレンブルク=フォアポンメルン州選挙

2011年9月5日

ドイツ北東部に位置するドイツ・メクレンブルク=フォアポンメルン州で昨日9月4日州選挙が行われた。ちなみにメルケル首相の出身州でもある。

結果は今年3月に行われたザクセン=アンハルト、バーデン=ヴュルテンベルクとラインラント=プファルツ州や5月に行われたブレーメン市議会選挙と似たようなもので、連邦で連立を組むキリスト教民主同盟と自由民主党が敗退し、緑の党が大躍進。自由民主党は5%を割り、議員を選出することができなかった。リューゲン1区ではキリスト教民主同盟の候補者が死亡したため、9月18日に補欠選挙が行われるが、それ以外の全選挙区での結果が出ているので、今後最終結果に大きな変化はないはず。

西ドイツの州の場合はキリスト教民主同盟と社会民主党の2大政党と自由民主党と緑の党の2小政党が争うのが型であったが、東ドイツの多くの州では左翼党の支持が非常に強く、またメクレンブルク=フォアポンメルン州では極右のドイツ国家民主党にも一定の支持があるため、前回2006年と今回2011年の選挙では2大(キリスト教民主同盟・社会民主党)1中(左翼党)3小(自由民主党・緑の党・ドイツ国家民主党)政党が争っていると見ていいだろうか。

さっと再統一後の州選挙の歴史を振り返ると、1990年・1994年選挙ではキリスト教民主同盟が第1党となり、1990年はキリスト教民主同盟・自由民主党の連立、1994年はキリスト教民主同盟・社会民主党の大連立が政権を握った。1998年州選挙で社会民主党が第1党となり、左翼党の前身で旧東独の政権党社会主義統一党の後身である民主社会党との「赤赤連立」を組んだ。2002年選挙後も赤赤連立が続行した。1994年・1998年・2002年の州選挙で5%を超えたのはキリスト教民主同盟・社会民主党・民主社会党の3党だったが2006年州選挙で事情が変わる。2006年州選挙では社会民主党が1議席差で辛うじて第1党となり、キリスト教民主同盟が第2党となったが、これまで3党制だったメクレンブルク=フォアポンメルン州政治に自由民主党と国家民主党が加わり5政党が議員を選出した。数字上は71議席中36議席の赤赤連立も可能だったが、社会民主党はキリスト教民主同盟との大連立を選んだ。

選挙法は州によって異なるが、メクレンブルク=フォアポンメルン州の場合はほぼ連邦選挙と同じと考えて良いだろう。36小選挙区が存在し、州議会の議席数は71。全議席の配分が政党別比例代表の『第2票』によって決められる。そのため超過議席の可能性もあるが、この州の場合一政党が小選挙区をほぼ全て獲得するような事態とはなっていないので、発生しにくい状況となっている。議席配分は以下のようになると報道されている。

政党名  
社会民主党 28
キリスト教民主同盟 18
左翼党 14
緑の党
国家民主党

各党の『第2票』比例代表得票率:今回2011年

 
 
 
 
 
 
 

各党の『第2票』比例代表得票率:前回2006年

 
 
 
 
 
 
 

各政党の色 (灰色はその他)

 
社会民主党
 
キリスト教民主同盟
 
民主社会党・左翼党
 
緑の党
 
国家民主党
 
自由民主党

一般的に旧東独地域では中道左派・左派が強いので、社会民主党・左翼党が勢力を伸ばしたのは驚くべきことではないが、ハンブルク市議会選挙を除き、これまで2011年に行われた各選挙(ザクセン=アンハルト・バーデン=ヴュルテンベルク・ラインラント=プファルツ・ブレーメン)の選挙ではあまり振るわなかった社会民主党にとってこの明らかな勝利は朗報。しかしそれ以上に目を引くのが緑の党の躍進。福島第1原発問題が追い風になったバーデン=ヴュルテンベルクやラインラント=プファルツ州選挙以後も勢いがあり、一時的な支持率上昇ではなかったことを示している。そして自由民主党にとっては厳しい状況が続いている。2013年の連邦選挙までキリスト教民主同盟の弱体化と自由民主党の凋落が続けば、両党内での不協和音が更に広がりそうだ。

メクレンブルク=フォアポンメルン州での社会民主党の連立相手はキリスト教民主同盟か左翼党か、今後協議が行われる。