大英図書館 | 失われた記憶と宝

2008年11月21日

図書館に所蔵されている本は社会全体の記憶であり宝。貴重な本を参照するために、大英図書館やオックスフォード大学図書館を利用するときは、ある種の畏敬の念を持って本に接することになる。

そのため、ある研究者が長年に渡り、16世紀以降の貴重な蔵書からページを切り取っていたことが判明したのは残念だ。少なくとも150冊以上の本が被害に遭い、被害総額は40万ポンドほどになるという。ただこのような本の場合は、金額で値段を設定するという行為自体あまり意味がない。

切り取ったページの一部は、研究者が個人的に保有する本に挿入していたという。盗まれたすべてのページが見つかったわけではなく、地図や版画などが完全に失われてしまった可能性もある。研究しているということは、これらの本の史的価値を充分認識していたので、かなり身勝手。そこまでしても、得たいものだったのだろうか。理解に苦しむ。

可能であれば本が元の形に戻れるよう切望する。