敵基地攻撃の実現性

2009年5月31日

北朝鮮の核実験及びミサイル発射という現実に、どのように対処すればいいのか、これから様々な議論がなされるだろう。一部では危険を除去するために、北朝鮮の基地、例えばミサイルの発射台などを空爆する案も出ている。

現在のところ、朝鮮半島が戦場と化し日本にミサイルが飛来することが必至となる、北朝鮮に対する軍事行動はないと思うが、北朝鮮が核弾頭の小型化に成功し、大陸間核弾道ミサイルという米国を直接攻撃しうる兵器を保有するのは時間の問題。米国は決してこのような事態を看過するはずなく、戦争も視野に入れての外交があるだろう。アメリカは必要あらば、戦争を厭わないし、北朝鮮に対する軍事行動は支持されるだろう。オバマ大統領のアメリカを甘く見るべきではない。

敵基地攻撃の可能性が模索されているのは、北朝鮮の例に限られたわけではない。もっと切羽詰まった状況にあるのが、イスラエルとイラン。イスラエルはイランの核兵器破壊を狙うための軍事行動を取る取らないで、議論が続いている。以前にも書いた事であるが、もしイスラエルがイランの核脅威の無力化に成功した場合、米国も北朝鮮に対し強気に出るかもしれない。イスラエルの場合は空からの優勢を使い、基地を破壊すれば目的は達成できるので、イラン大統領選挙の結果やイスラエルの国内政治などにもよるが、実現性がある。

北朝鮮に対する軍事行動の問題点は、基地攻撃だけでは済まないところ。核の脅威とミサイルの無力化のみならず、北朝鮮の韓国と日本に対する通常兵器の攻撃を食い止めることが非常に重要となる。つまり北朝鮮に反撃の隙を与えないほどの圧倒的攻撃が基地攻撃の条件となる。アメリカは周到な準備をしなければならず、今から1年後2年後3年後を見据えて、軍事行動も選択肢の一つとして、対北朝鮮政策を練ることになるだろう。今、重要なのは、できるだけ北朝鮮体制の根本を揺るがすことのできる、外交圧力と制裁を加えることにある。