政治と言葉 | 命懸け

2010年5月28日

普天間移設問題で内閣支持率も下がり、窮地に陥っている鳩山首相だが、どうも気になることがある。

これまで数回、「命懸け」でこの問題に取り組み、打開策を見つけることを表明していた。こうも軽々しく一国の宰相が命を懸けるのに違和感を覚えた人も多いはず。そして命を懸けたわりには見苦しい迷走だった。大袈裟だし、実際に命を失うこともない。この場合の「命」は政治生命のことかもしれないが、ただの美辞麗句の類にしか聞こえない。具体性がなく、ただ「一所懸命やります」を強調して言っているようにも聞こえる。

政治家にとって必要なのは固い決意とその決意を表明するだけではない。言ったからには実行しなければならない。そして責任が伴う。不履行ならば国民の審判を仰ぐか辞める。

政権担当能力のある2大政党による政治体制が日本に根付くかどうか、ここ数年日本の政界でいろいろな動きがあったが、蓋を開けると、政権担当能力がない政党と政治家だらけとも思ってしまう。